- FXの取引時間は?
- 各FX会社の取引時間は?
- 各市場の時間帯と値動きの特徴は?
外国為替市場(FX)は、世界中の投資家やトレーダーが参加する、非常にダイナミックでグローバルな金融市場です。
FX取引は、通貨ペアの価値の変動を利用して利益を得ることを目指します。
この市場の魅力の一つは、ほぼ24時間取引が可能であることですが、取引時間、経済指標の発表、そして特別なイベントは、取引戦略に重大な影響を与えることがあります。
ここでは、FXの取引時間、土日と特殊な期間の取引の注意点、主要な取引センターの時間帯、および経済指標の発表が市場に与える影響について詳しく説明します。
FXの取引時間は24時間
FXの取引ができる時間
FX取引は、基本的に24時間行われています。
これは、世界中の異なる金融センターが時間帯を重ねて取引を行っているためです。
具体的な時間帯は以下の通りです:
- 月曜日のオーストラリア市場のオープンから始まり、金曜日のニューヨーク市場のクローズまで続きます。
- 週末には、取引が一時停止しますが、それ以外の時間帯はほぼ常に取引が可能です。
- 一般的には、土曜日の未明から日曜日の未明(UTC時間で)には取引が停止することがありますが、これは主要な取引センターの休日によるものです。
つまり、FX取引は週7日、24時間行うことができますが、個々の通貨ペアや取引プラットフォームによって、取引可能な時間や取引条件が異なる場合があります。
土日の取引時間とその注意点
土曜日と日曜日は、一般的にはFX取引が一時停止される時間帯ですが、取引プラットフォームや個々の通貨ペアによって異なる場合があります。
以下に、土日の取引時間とその注意点を詳細に説明します:
- 土曜日の取引:
- 一般的に、金曜日のニューヨーク市場のクローズ後から土曜日の未明(UTC時間)にかけて、取引が停止します。
- ただし、一部のFXブローカーや取引プラットフォームでは、土曜日の取引を提供している場合もあります。この場合、主要通貨ペア以外の取引量は限られていることがあります。また、スプレッドが広くなることもありますので、注意が必要です。
- 日曜日の取引:
- 土曜日の未明から日曜日の未明(UTC時間)にかけて、ほとんどのFXブローカーや取引プラットフォームでは取引が停止します。これは、主要な金融センターが休みのためです。
- ただし、一部のブローカーや取引プラットフォームでは、日曜日の早朝から取引を再開している場合があります。これは、FX市場が一時停止されている間に重要な経済イベントやニュースが発生した場合、トレーダーがリスクを管理したりポジションを調整したりするための機会を提供するためです。
- 注意点:
- 土日の取引時間帯は、通常の取引時間帯と比べて取引量が少ないため、価格変動が大きくなることがあります。これにより、スプレッドが広がる場合があります。
- 一部のブローカーや取引プラットフォームでは、土日の取引に追加の手数料がかかる場合があります。したがって、取引を行う際には注意して手数料を確認することが重要です。
- また、土日の取引は一般的にリスクが高く、市場の流動性が低いため、未経験者や小口投資家にとっては慎重に取引することが勧められます。
土日の取引は、通常の取引時間帯とは異なる状況やリスクがあるため、トレーダーは注意深く取り組む必要があります。
FXの特別な取引時間について
サマータイム、冬時間の影響
サマータイム(夏時間)と冬時間(標準時)の切り替えは、外国為替取引に影響を与える重要な要素です。これらの変更により、取引時間や時間差が変化し、市場の流動性や取引量に変動が生じる可能性があります。
サマータイムが導入されると、多くの地域で夏季の日照時間が延長されます。これにより、取引時間が延長されることがあり、市場の活動時間が変わります。一方、冬時間に切り替わると、日照時間が短くなり、取引時間が短縮されることがあります。
さらに、サマータイムや冬時間の変更により、異なる国や地域の時間差が変化します。これは、取引者が市場の開始や終了時間を正確に把握するために重要です。時間差の変化により、取引のタイミングや市場の活性度が影響を受ける可能性があります。
取引者は、サマータイムや冬時間の切り替え時には特に注意が必要です。時間帯が変更される直前や直後には市場の動きが不安定になることがあり、トレーダーは慎重な取引を行う必要があります。また、時間帯の変更により、取引量や市場の流動性に変化が生じることも考慮する必要があります。
サマータイムと冬時間の変更は、外国為替市場において取引戦略を立てる上で重要な要素です。トレーダーはこれらの変更を把握し、適切な取引計画を立てるために、時間帯の変更に注意を払う必要があります。
年末年始やクリスマス期間の取引時間
国内主要取引プラットフォームの取引時間
※米国夏時間(サマータイム)は3月第2日曜日~11月第1日曜日です。 詳細につきましては、こちらをご確認ください。
DMM.com証券「DMM FX」
曜日 | 米国夏時間 (3月中旬~11月上旬) | 米国冬時間 (11月上旬~3月中旬) |
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月曜日 | 07:00~翌05:59 | 07:00~翌06:59 |
火~木曜日 | 06:00~翌05:59 | 07:00~翌06:59 |
金曜日 | 06:00~翌05:50 | 07:00~翌06:50 |
《取引時間》月曜日午前7時~土曜日午前6時50分(夏時間は土曜日午前5時50分まで)
松井証券 「MATSUI FX」
曜日 | 米国夏時間 (3月中旬~11月上旬) | 米国冬時間 (11月上旬~3月中旬) |
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月曜日 | 07:00~翌05:55 | 07:00~翌06:55 |
火~金曜日 | 06:10~翌05:55 | 07:10~翌06:55 |
《取引時間》月曜日午前7時~土曜日午前6時55分(夏時間は土曜日午前5時55分まで)
トレイダーズ証券「みんなのFX」
曜日 | 米国夏時間 (3月中旬~11月上旬) | 米国冬時間 (11月上旬~3月中旬) |
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月曜日 | 07:00~翌05:50 | 07:00~翌06:50 |
火~金曜日 | 06:10~翌05:50 | 07:10~翌06:50 |
《取引時間》月曜日午前7時~土曜日午前6時50分(夏時間は土曜日午前5時50分まで)
GMOクリック証券「FXネオ」
曜日 | 米国夏時間 (3月中旬~11月上旬) | 米国冬時間 (11月上旬~3月中旬) |
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月曜日 | 07:00~翌06:00 | 07:00~翌07:00 |
火~金曜日 | 06:00~翌06:00 | 07:00~翌07:00 |
《取引時間》月曜日午前7時~土曜日午前7時00分(夏時間は土曜日午前6時00分まで)
GMO外貨「外貨ex」
曜日 | 米国夏時間 (3月中旬~11月上旬) | 米国冬時間 (11月上旬~3月中旬) |
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月曜日 | 07:00~翌05:55 | 07:00~翌06:55 |
火~木曜日 | 06:00~翌05:55 | 07:00~翌06:55 |
金曜日 | 06:00~翌05:50 | 07:00~翌06:50 |
《取引時間》月曜日午前7時~土曜日午前6時50分(夏時間は土曜日午前5時50分まで)
FXの主要市場の取引時間と特徴
ウェリントン・シドニー市場
ウェリントン・シドニー市場の主な取引時間は日本時間の5〜15時です。世界の為替市場の中で最も早く動き始めるため、週末に市場に大きな影響を与える出来事が起こった場合は一番早く反応します。
ただし、基本的には市場参加者が少ない時間帯です。特に朝方の5〜8時は、値動きがほとんどないうえに、スプレッドが広がりやすい傾向もあるため、利益を狙いにくくなっています。予測し得ない値動きをするケースも珍しくないため、初心者は取引するのを避けたほうがよいでしょう。
ウェリントンとシドニーはオセアニア地域の主要な取引センターであり、豪ドルやニュージーランドドルなどの通貨ペアが中心となって取引されます。以下に、ウェリントンとシドニー市場の取引時間と特徴を詳細に説明します:
- ウェリントン市場:
- 取引時間:午前8時から午後4時(NZST:ニュージーランド標準時)
- 特徴:
- ウェリントン市場はオセアニア地域の最初の主要な取引センターです。
- 主な通貨ペアはNZD/USD(ニュージーランドドル/米ドル)ですが、他の通貨ペアも取引されます。
- ウェリントン市場のオープン直後には、ニュージーランド関連の経済指標が発表されることがあり、それに伴って価格の変動が見られることがあります。
- 取引量は他の主要な市場に比べると比較的少ないですが、市場の活動が始まる前の時間帯は取引チャンスがあります。
- シドニー市場:
- 取引時間:午前8時から午後4時(AEST:オーストラリア東部標準時)
- 特徴:
- シドニー市場はオセアニア地域で最も大きな取引センターの1つです。
- 主な通貨ペアはAUD/USD(豪ドル/米ドル)ですが、他の通貨ペアも取引されます。
- シドニー市場のオープン直後には、オーストラリア関連の経済指標が発表されることがあり、市場に影響を与えることがあります。
- アジア市場とヨーロッパ市場の間の時間帯に位置しており、取引活動が比較的活発です。
- ニューヨーク市場がクローズする前にシドニー市場がオープンするため、その時間帯に価格の変動が起こることがあります。
ウェリントンとシドニー市場は、オセアニア地域の経済情勢や政治情勢に関連する経済指標やニュースが発表されることがあります。これらのイベントは市場に影響を与える可能性があるため、トレーダーは注意して市場動向を監視する必要があります。
東京市場
東京市場の主な取引時間は日本時間の8〜17時です。香港やシンガポールなど、アジア地域に住んでいる方が取引に参加し始めます。
円を含む通貨ペアの取引が活発になりやすいのが特徴です。仲値(金融機関が顧客と外国為替取引をする際に基準とする為替レート)が決まる9時55分の前後は、ドルが買われやすく円安方向に為替レートが変動しやすくなるといわれています。
特に「ゴトウ日」と呼ばれる5日、10日、15日、20日、25日、30日は、海外の取引先にドルで支払いを行う日本企業が多く、海外への支払いのためにドルが多く買われやすい傾向です。
銀行もドルの需要を見越して資金調達を行うため、仲値の公示前にドル買いの圧力が加わりやすく、円安ドル高になりやすいとされています。
ただし、この10時前後を除けば比較的値動きは落ち着いているため、大きな損失を出すリスクを抑えて取引したい方にはおすすめと一般的には言われています。
東京市場はアジア地域で最も重要な外国為替取引の中心地の1つです。以下に、東京市場の取引時間と特徴を詳細に説明します:
- 取引時間:
- 東京市場の取引時間は、日本標準時(JST)で午前8時から午後4時までです。
- 東京市場はアジア地域の主要な取引センターであり、アジアの多くの国々との取引が行われます。
- 特徴:
- 通貨ペア:主な通貨ペアはUSD/JPY(米ドル/日本円)ですが、EUR/JPY(ユーロ/日本円)、AUD/JPY(豪ドル/日本円)などのクロス通貨ペアも取引されます。
- 取引量:東京市場は世界有数の取引量を誇りますが、欧米の市場と比べると取引量はやや少ない傾向があります。
- 値動きの特徴:東京市場のオープン直後と終了直前には価格の変動が増加する傾向があります。特に日本の経済指標が発表される際には、市場の注目が高まります。
- 流動性:東京市場はアジア地域での取引の中心地であるため、アジアの他の国々との取引が行われます。そのため、アジアの他の市場が閉まっている時間帯でも比較的高い流動性が維持されます。
- 日本の経済指標:日本の経済指標やイベントが発表される際には、市場への影響が大きいことがあります。例えば、日銀の金融政策発表やGDPの発表などが挙げられます。
東京市場は、世界中のトレーダーや投資家にとって重要な市場であり、特にアジア地域での取引を行う際には大きな影響を与えます。そのため、東京市場の時間帯には市場の動向を注意深く監視することが重要です。
ロンドン市場
ロンドン市場の主な取引時間は日本時間の17〜翌2時です。
ロンドン市場は世界最大の外国為替市場(※)で、世界全体の4割近くの取引量を占めています。ロンドン市場の開く17時からは市場参加者も増加し、一気に値動きが出てきます。19時を過ぎるとトレーダーが昼休みに入るため、値動きは落ち着く傾向があるようです。
※国際決済銀行(BIS) 2022年外国為替市場及び店頭(OTC)デリバティブ市場に関する中央銀行サーベイ参照
この時間帯では、ユーロやポンドなどを含む通貨ペアが活発に取引され、ユーロ圏の経済指標が発表されると値動きは特に大きくなります。利益を狙えるチャンスもある一方で、損失が発生するリスクもあるため、注意が必要です。
ロンドン市場は、世界有数の外国為替取引の中心地であり、ヨーロッパ地域で最も重要な取引センターの1つです。以下に、ロンドン市場の取引時間と特徴を詳細に説明します:
- 取引時間:
- ロンドン市場の取引時間は、グリニッジ標準時(GMT)で午前8時から午後4時までです。
- ロンドン市場はヨーロッパ時間帯の取引を代表し、ヨーロッパの主要な通貨ペアが取引されます。
- 特徴:
- 通貨ペア:主な通貨ペアはEUR/USD(ユーロ/米ドル)、GBP/USD(英ポンド/米ドル)、USD/CHF(米ドル/スイスフラン)などです。また、EUR/GBP(ユーロ/英ポンド)やEUR/CHF(ユーロ/スイスフラン)などのクロス通貨ペアも活発に取引されます。
- 取引量:ロンドン市場は世界最大の外国為替取引市場の1つであり、非常に高い取引量が特徴です。特に、ロンドン市場のオープン時間帯は取引が最も活発になります。
- 値動きの特徴:ロンドン市場のオープン直後には価格の変動が活発になり、特に午前8時から午前10時までの時間帯は市場が最も活気づいています。また、米国市場のクローズ前にも取引が活発になる傾向があります。
- 流動性:ロンドン市場はヨーロッパの主要な金融センターであり、欧州の他の市場との取引が行われます。そのため、欧州時間帯には高い流動性が維持されます。
- 重要な経済指標の発表:ヨーロッパの主要な経済指標やイベントがロンドン市場で発表されることがあります。これらの発表は市場に大きな影響を与えることがあります。
ロンドン市場は、世界中のトレーダーや投資家にとって非常に重要な市場であり、世界の外国為替取引の方向性や流動性に大きく影響を与えます。そのため、ロンドン市場の時間帯には市場の動向を注視することが重要です。
ニューヨーク市場
ニューヨーク市場の主な取引時間は日本時間の22〜翌5時です。
21時過ぎになるとアメリカからの参加者も加わり、為替の値動きは1日を通してピークを迎えます。消費者物価指数(CPI)や失業率、非農業部門雇用者数(NFP)などの米国の重要な経済指標が発表されるのもこの時間帯です。午前2時過ぎになると、欧州の株式市場が終了となるため、値動きは落ち着き始めます。
22〜翌2時はロンドン市場の開場時間とも重なるので取引量が多くなる傾向があります。大きなトレンドも発生しやすいので、時間が限られている方はこの時間帯に絞って取引する方も多くいます。
ニューヨーク市場は、世界最大かつ最も活発な外国為替取引の中心地の1つです。以下に、ニューヨーク市場の取引時間と特徴を詳細に説明します:
- 取引時間:
- ニューヨーク市場の取引時間は、東部標準時(EST)で午前8時から午後5時までです。
- ニューヨーク市場は、北米地域の主要な外国為替取引センターであり、米ドルを含む多くの通貨ペアが取引されます。
- 特徴:
- 通貨ペア:主な通貨ペアはUSD/JPY(米ドル/日本円)、EUR/USD(ユーロ/米ドル)、GBP/USD(英ポンド/米ドル)などです。また、USD/CAD(米ドル/カナダドル)やUSD/CHF(米ドル/スイスフラン)などのクロス通貨ペアも活発に取引されます。
- 取引量:ニューヨーク市場は世界最大の外国為替取引市場の1つであり、非常に高い取引量が特徴です。特に、ニューヨーク市場のオープン時間帯と米国の経済指標が発表される時間帯は取引が最も活発になります。
- 値動きの特徴:ニューヨーク市場のオープン直後と午後3時頃には価格の変動が活発になり、特に米国の経済指標発表時には市場の注目が高まります。
- 流動性:ニューヨーク市場は北米地域の主要な金融センターであり、カナダやラテンアメリカなど他の地域との取引も行われます。そのため、北米時間帯には高い流動性が維持されます。
- 米国の経済指標の発表:米国の主要な経済指標やイベントがニューヨーク市場で発表されることがあります。これらの発表は市場に大きな影響を与えることがあり、取引の方向性を決定する重要な要素となります。
ニューヨーク市場は、世界中のトレーダーや投資家にとって非常に重要な市場であり、世界の外国為替取引の方向性や流動性に大きな影響を与えます。そのため、ニューヨーク市場の時間帯には市場の動向を注視することが重要です。
まとめ
FX市場は、グローバルな金融センターを経由して、週5日24時間取引が行われる広大な市場です。
オーストラリアの市場が開く月曜日の朝から、ニューヨーク市場が閉じる金曜日の夕方まで、世界各地のトレーダーは通貨ペアの取引機会を追求します。
しかし、取引時間帯、サマータイムや冬時間の影響、年末年始など特別な期間の取引条件、そして経済指標の発表は、市場の動向に大きな影響を及ぼす可能性があります。
これらの要素は、取引戦略を練る上で考慮すべき重要な点であり、トレーダーは市場の流動性や価格変動に対して柔軟に対応する必要があります。
FX取引を成功させるには、これらの時間帯やイベントに対する理解と準備が不可欠です。